ぶってくれ、きってくれ
中国の民話の絵本『王様と9人の兄弟』
兄弟は全員、違う特殊能力を持ち、その能力にちなんだ名前がついている。寒さ暑さに強い「あつがりや」「さむがりや」、お腹がすかない「はらいっぱい」やいくらでも食べられる「くいしんぼう」など。
そして、「ぶってくれ」と「きってくれ」は、いくらぶたれても、切られても大丈夫。縛り付けられてぶたれてもぶたれても「ハハハ……もっとぶってくれ!」と笑っているのだ。
9人兄弟はみんな超人だけど、その名前にあやかれば、色々なことが耐え忍びやすくなるんじゃないかな、とふと思った。
(別に具体的に嫌なことがあったわけではない)
「言ってくれ」なんとでも。「ハハハ……もっと言ってくれ、言ってくれ!」
「黙ってくれ」これで沈黙も余裕
「教えてくれ」あ、またその話……何回でも「教えてくれ、教えてくれ」
「寝ないでくれ」何時まででも。明日平日でも
「寝てくれ」何時まででも。何もしないで。いくらでも寝ててくれ
「仕事来ないでくれ」いくら仕事が来なくても大丈夫
「仕事来い」いくら仕事が重なっても大丈夫
ワハハハ……足りないぞ。もっともっと……ワハハハハハ……