いわば丸腰で、生きてきたわけだ
今年もやってきた、進級、進学の季節。
私はこの2014年度、上の子の幼稚園の役員、執行部書記を務めた。
下の子を保育園に預け始めて時間ができたのと、なのにライターの仕事がこなかったらどうしようという不安から役員に立候補して1年間。
役員会のレジュメと議事録、イベントのタイムテーブル、役員会だよりなどの文書作り。
給食試食会の自転車整理、盆踊りのジュース渡し、バザーのレジ補助、クラスイベントのフォロー、クリスマスのお菓子詰め、卒業対策委員会の問題ヒアリング、餅つき会のいそべ餅作り、etc。
そして今月は役員解散式、卒園式、クラスお別れ会。最後はクラスの保護者の皆さんからお礼の品をいただき……
先々週の役員打ち上げ飲み会では、みんな喜びで顔が輝いていた。
そのときの全員の気持ち。
「今年、役員やってよかった!!!!!!!」
こういう感想で締めくくれるのは、とても幸せなこと。
“!”をいくつつけても足りない。
役員の仕事は、ちょっと時間はとられるけど、そんなに大変じゃない。揉めない限りは。
私たちの前年度はかなり揉めて、打ち上げ飲み会はできなかったらしい。
役員会は喧々諤々で、とても下の子を連れていけるような雰囲気ではなかったらしい。
というわけで、
「今年、(揉めない年に)役員やってよかった!!!!!!!!!!!!!」
で、ここからが本題。
今、幼稚園のママたちは次の学年で誰が役員になるかの話題で持ちきり。
役員は各クラス3人だから、必ず全員がやらなきゃいけないものでもないのだが……
そしてここに、「新年度に役員やらなきゃいけないかも」と怯えているママが2人。
子どもが1人なので、弟妹を連れていたり、兄姉の小学校で役員をしていたりするママたちの中、自然とスポットがあたるわけで。
この前ちょっと用事があって、その2人とお茶したのだけど、2人とも
「こんなに気の弱い私が、役員なんかできるわけない」
と言う。
うん。向いてないかも。だからやらなくていいよ、と言うと、
「でも、やらなかったら、『役員やってない』と気にしちゃう……」
そんな!なんて、難儀な!!
しかし実際、気が弱いからこそ、周りの圧に負けて立候補してしまう人もたくさんいるらしい。
そこでちょっと思いついたので言ってみた。
「2人とも、これを機にメンタル強化したら?」
「えっ?そんなことできるの?」
(私)「えっ?」
衝撃だった。
ママ友は色んなバックグラウンドの人がいるから、話題は選ぶ必要がある。
でも今回の2人は、4大出て普通に会社で働いていたのに。
2人とも、いわば丸腰で生きてきたわけだ。サラリーマン社会を。ママ友界を。
そんなに気が弱いのに……。
嫌なことをブラックボックスに入れて忘れる。
語尾を「~に越したことはない」にして、「~すべきだ」から始まる負のスパイラルを回避する。
主語に「私は~」をつけて、他人の評価を気にしない自分主体の思考回路に切り替える。
精神的ダメージを回避するテクニックは色々ある。
20代の頃は必要に迫られてメンタル武装に努めた。
本屋で「メンタルタフネス~」とか「へこまない~」だとかを立ち読みし、
ビジネスの現場で出会うおじさんたちの鈍感力(いい意味で)に憧れ。
でも、もしかしたら「強くなれる」と思う時点で、私はもともと、けっこう、気が強かったのかもしれない。
なんか、自分が「強さ」ばかりに目を向けてきた気がしてきた。
もっと弱さについても考えてみようと思わせてくれた、気弱な友人2人の話でした。